初期型PS3(CECHH00)グリス塗り直しとそれに伴う分解

プレステ

PlayStation3 CECHH00

CECHH00は初期型2年目モデルになります。

機 種 発売 定格
電力
Game
電力
重量 Cell RSX 大まかな変更点


CECHA00
CECHB00
2006 380W 197W 5kg 90nm 90nm PS2が出来る
CECHH00
CECHL00
2007
2008
280W 158W
130W
4.4kg 65nm 90nm
65nm
PS2削除、Cellが65nmに変更
RSXが65nmに変更

 

目的と結果

●目的:PlayStation3 CECHH00のCell・RSXのヒートスプレッダのグリスを塗り直す事で経年劣化した熱伝導率を回復させ放熱不足を緩和しYLOD故障を復旧させる

●結果:YLOD故障は復旧しなかった

 

経緯

ハードオフで格安PS3を見かけた。1度もプレイした事のないゲーム機で、当時PS3の知識は皆無。「PS3 電源 落ちる」で調べると「Yellow Light of Death」通称YLODを知る。修理動画やブログを見て検討した結果、「何とかなると思う+格安なので失敗も良し」と判断し後日購入した。

その後どのように直していくか調べていく中、購入機種がPS2が出来ない機種という事と初期型はいずれも爆熱・爆電力でYLODは基本再発必至の機種だという事を知る。これはPS3の歴史を知った方が良いと感じ2006~2014全ての機種の比較表を作成しこの機種を直す事でいいのか検討した。

検討結果はこの機種を直すよりもYLODが発生し辛い、プロセスルールがCell45nm、RSX40nm以下の機種が望ましい(CECH-2100以降)という結論だった。4300か4200の購入に越したことはないという事になる。

4300・4200の中古を探したがどれもそれなりの値段がする。どうもここにきて後期型PS3の中古価格が上昇している気がする。4300・4200の中古購入を断念し、これ以上考えても先に進めないので、とりあえず分解する理由付けの為にCell・RSXのグリス塗り直しを行う事にした。

 

購入時の動作確認

電源を入れると「緑」からすぐに「黄」→「赤」点滅。たまに緑が10秒程続く事もあった。YLODだった。

 

分解直前の動作確認

分解直前、電源を入れると「緑」が40秒程続き画面に表示が出て程なく「黄」→「赤」点滅。すぐにエラーが出なくなった原因は2月になり寒さが増したという理由ぐらいしか思いつかない。何度か試している内に画面が出る前にエラー。時間は短くなっていった。画面が出た時はこのままプレイできるのではと期待したが違った。

 

分解直前の考察

表示されるという事はそれまでは正常に機能しているという事が確定。半田クラック等の断線は考え辛い。Cell・RSXの異常停止も考えられるがエラーのタイミングがバラバラな事を鑑みると可能性は低い。Cell・RSXの負荷時の放熱・廃熱処理に問題があり異常温度検知による強制停止が王道路線と推測する。あとプロセスルールがCellのみ65nmに改善され熱問題が緩和されたので問題はRSXの放熱不足による異常温度が濃厚と考えられる。因みに翌年モデルでRSXも65nmプロセスに改善されたがYLOD問題は引き続き続いた。

基本RSXの異常温度による強制停止が濃厚だが画面までたどり着かない場合はCellの異常温度による強制停止も考えられる。兎に角、放熱処理部分と廃熱構造に問題がありそうだ

 

分解

カバー取外し

①HDD蓋とHDDアタッチメントを外す(本機はアタッチメント欠品)

②封印(シール・ゴム栓・星形ねじ)を外す

③化粧蓋をスライドさせて外す

④ねじを7つ外し前蓋を外す

パーツ取外し

⑤コネクタ2つとねじ5つを外し電源ユニットを外す

⑥コネクタ2つを外しBDドライブを外す

メイン基板取出し

⑦コネクタを3つ外し、ねじを13個外し鉄板を外す

⑧メイン基板を外す(Cell・RSXがヒートシンクにしっかり固着している為慎重に剥がす)

グルス塗り直し

既設グリスを綺麗に拭き取り、新しいグリスを塗布する

組立

分解と逆の手順で組立て直す

動作確認

動作確認したが結果は失敗。YLODは復旧しなかった。

 

動画

コメント

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