【iPhone】ログからバッテリー状況を確認しバッテリーを評価する(iOS15まで)

スマホ・タブレット
●注意
iOS16に更新後、バッテリーに関わる解析データログ(log-aggregated-202Xファイル)が出力されなくなった為、iOS16に更新できるiPhone8以降はログによるバッテリー評価ができなくなった。

 

目的

iPhone7plusの解析データを確認する事によりバッテリーの状況を把握しバッテリーの評価を行う

 

経緯

iPhone7plusにおいて自分で大容量バッテリーに交換した為、iPhoneのバッテリーの状態が示す最大容量での確認では不十分と考え、iPhoneの解析データ内ログ集計ファイルを直接観察しバッテリー寿命を判定する事にした。

併せてiPhone8plusとiPhoneSEのバッテリーも観察・評価する

 

Appleのフル充電サイクル500回容量80%維持の理由についての考察

 

●NTT Docomoテクニカルジャーナル2006年1月号

移動端末用リチウムイオン電池の容量劣化特性抜粋

上表は携帯用リチウムイオンバッテリーの容量劣化と充放電サイクル特性(2006)です。図3より最大電池容量は600サイクルで80%まで劣化し800サイクルで平均50%まで劣化します。また図2より放電電圧は500サイクル当たりから劣化度が上がり始めどのバッテリーも漏れなく600サイクルを超えると急速に劣化していきます。但し状態が良い個体については800回時60%を維持する個体もある。

 

<考察>
600サイクルと設定すると多くのスマホに問題が生じる事を考慮し500サイクルで80%と定めていると思われます。1日1回フル充電の場合100日で100サイクルですから3~6か月程余裕を見ている事になります。妥当だと思います。

また、図3の800回使用時の電池容量には大きなバラ付き(20〜70%)があり、状態が良ければ800回分使える場合もありそうです。
実際に現在使用しているiPhone8plusは800回程に達したが最大容量は81%表示されており、急に容量が減りはするが体感として60〜70%はあるように感じる。

追記(2023年5月)

NTT Docomoの検証から17年が経過し、リチウムイオンバッテリーも高性能化している。AppleはiPhoneは500回設計で、AppleWatchとiPadは1000回設計だとしている。なんらかの理由で500回と言っているだけに過ぎず1000回近く使用できる可能性がある。

急速充電であったり、ワイヤレス充電であったり、SIM電波を高頻度でキャッチしに行っている等バッテリーストレスが高い可能性があるのではないだろうかと推測する。iPhoneだけ半分の500回というのは多いに違和感があるからだ。

 

バッテリー寿命判断方法

iPhone7plusの解析データ内「ログ集計ファイル」から情報を抽出し判断する

 

手順

今回はiPhone7plusのバッテリー寿命診断を行う

①iPhone作業〜ログ集計ファイルの保存

解析データ内「ログ集計ファイル」は7000行程あり検索が必須だがそのままでは検索できない。よってファイルを保存しパソコンに移動させる

保存手順

設定>プライバシー>解析および改善>データ解析

log-aggregated-202X-XX-XX-XXXXXXXの最新日をタップ

右上を押し”ファイルに保存”

そのファイルをパソコンに移動する

 

②パソコン作業〜ログ集計ファイル内検索

Ctrl+Fで検索していく

バッテリーサイクルカウント(BatteryCycleCount)

フル充電放電を1サイクルとする

578カウント

 

設計充電容量(design_capacity)

iPhone7plusの公称バッテリーパック容量(固定値:純正バッテリーしか想定されていない)

現在のバッテリーパック容量:3420mAh(ZMNT)  
(標準電圧standard Voltage 3.82V)
(充電制限電圧charge limit voltage 4.35V)

3420mAh

 

最大容量(raw_max_capacity)

現在のバッテリー最大容量

2601mAh

 

最大容量率についてはiPhone7plusの場合「公称設計充電容量2900mAh」で固定されている。実際は3420mAhなので

2601/3420=76.1%

かと思われる。

●その他検索結果

フル充電容量 FCC=Full Charge Capacity
残容量 RM=remaining capacity
最大容量Qmax(Minimum quality)

 

同様に手持ちのiPhone8plusとiPhoneSEも解析していく

 

評価

2021/9

スマホ 必要データ 解析データ 評価
iPhone7plus バッテリーサイクルカウント 578サイクル 劣化が進んでおり1か月程
(30サイクル程)で劣化は
加速する事が予測される
為バッテリー交換した方
が良い
設計充電容量 3420mAh
フル充電容量 2601mAh
最大容量% 76.1%
iPhone8plus バッテリーサイクルカウント 497サイクル まだ80%に達するまでに
猶予があり様子を見ながら
半年以内(100サイクル分)
ぐらいでバッテリー交換
した方が良い
設計充電容量 2675mAh
フル充電容量 2309mAh
最大容量% 86.3%
iPhoneSE バッテリーサイクルカウント 388サイクル まだ80%に達するまでに
猶予があり
1年以内(200サイクル分)
ぐらいでバッテリー交換
すればよい
設計充電容量 1600mAh
フル充電容量 1375mAh
最大容量% 85.9%

2022/9

スマホ 必要データ 解析データ 評価
iPhone8plus バッテリーサイクルカウント 711サイクル まだ80%に達するまでに
猶予があり様子を見ながら
半年以内(100サイクル分)
ぐらいでバッテリー交換
した方が良い
設計充電容量 2675mAh
フル充電容量 2298mAh
最大容量% 85.9%

 

注意点

解析と改善内の「iPhone解析を共有」「デベロッパと共有」をOFFにするとlog-aggregatedファイルが生成されない様だ。多分…

 

参考資料

電池残量を検出する方法 第2話 Impedance TrackTMとは
満タンと空っぽはNG バッテリー長持ちの基礎知識 - 日本経済新聞
ノートパソコン、スマートフォン(スマホ)、タブレット、携帯ゲーム機など、身の回りにはバッテリーを搭載する機器があふれている。しかし、バッテリーの充電がうまくいかなかったり、いざ使おうと思ったら残量が極端にすくなかったり、なんて経験は誰でもあるだろう。

 

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